アートイベントの企画運営・クリエイターグッズの販売

データ入力代行の料金は?

点数・項目数で変わる費用のしくみ

アートアーカイブや資料デジタル化を進める際、ほぼ必ず直面するのが

「データ入力を誰がやるのか問題」です。

写真やスキャンは外注できても、

作品名・制作年・サイズ・技法・展示歴・所在情報などの入力作業は、

地味で時間がかかり、しかも正確さが求められます。

結果として、

  • 担当者が疲弊する
  • 入力が途中で止まる
  • データの揺れが発生する

といった理由から、データ入力代行の外注を検討するケースが増えています。

しかし、いざ見積もりを取ると

「なぜこんなに金額が違うのか分からない」

「高いのか安いのか判断できない」

と戸惑う人も少なくありません。

この記事では、

データ入力代行の料金がどのように決まり、どう比較すべきかを、

作家・ギャラリー・自治体それぞれの立場で、分かりやすく解説します。


データ入力代行が必要とされる理由

データ入力は「誰でもできる作業」と思われがちですが、

アーカイブ分野ではむしろ専門性が問われる工程です。

入力作業は想像以上に時間がかかる

1点あたり数分で終わりそうに見えても、

確認・調整・検索を含めると、1点10〜20分かかることも珍しくありません。

1000点あれば、それだけで数百時間になります。

担当者の属人化が起きやすい

入力ルールが曖昧なまま進むと、

「その人しか分からないデータ」になり、

異動・退職で運用が止まるリスクが高まります。

誤入力は後から直す方が高コスト

制作年やサイズの誤り、表記揺れは、

後から一括修正する方が何倍も手間がかかります。

最初から一定品質で入力することが重要です。

アーカイブ全体の信頼性に直結する

データ入力は単なる事務作業ではなく、

アーカイブの信用を支える基礎工事にあたります。


料金の決まり方(点数×項目数)

データ入力代行の費用は、ほぼ例外なく

「点数 × 項目数」 を基準に算出されます。

基本単価は「1点あたり」

相場の目安は以下です。

  • 簡易入力(5項目前後):300〜600円/点
  • 標準入力(10〜15項目):800〜1,500円/点
  • 詳細入力(20項目以上):2,000円〜/点

項目数が増えるほど単価は上がる

サイズ、技法、展示歴、所在、権利情報など、

判断や調査が必要な項目が増えるほど、単価は上昇します。

資料の状態によっても変動する

  • 情報が整理されている → 安い
  • 手書きメモ、断片的 → 高い
  • 写真と情報がバラバラ → 高い

入力前の整理度合いが、費用に直結します。

チェック・修正工程が含まれるか

ダブルチェックや表記統一作業が含まれる場合、

単価は上がりますが、長期的にはコスト削減になります。


個人作家の場合の目安

個人作家の場合、点数は少なめでも

「自分でやる時間がない」ケースが多いのが特徴です。

点数の目安

  • 50〜300点程度が一般的
  • 初期整理のみ外注するケースが多い

費用感の目安

  • 簡易入力:2万〜5万円
  • 標準入力:5万〜15万円

おすすめの外注範囲

  • 初期の一括入力
  • 展示歴・年表の整理
  • 写真と作品情報の紐付け

自作とのハイブリッドが現実的

最初だけ外注し、

以降は自分で更新する形が、費用対効果が高いです。


ギャラリーの場合の目安

ギャラリーでは、

複数作家・複数展示を扱うため、入力項目が増えがちです。

点数の目安

  • 常時500〜3,000点以上
  • 作家情報・展示履歴が複雑

費用感の目安

  • 初期構築:20万〜80万円
  • 年次更新:5万〜20万円/年

入力代行で効果が出やすい領域

  • 過去展示記録の一括入力
  • 委託作品の所在管理
  • 作家プロフィールの統一

営業・PR効果との関係

正確なデータが揃うことで、

提案資料・顧客対応のスピードが大きく向上します。


自治体・資料館の場合の目安

自治体・資料館では、

点数が多く、項目も行政基準に沿う必要があります。

点数の目安

  • 数千〜数万点
  • 写真・文書・台帳など多種多様

費用感の目安

  • 小規模:50万〜150万円
  • 中規模以上:200万円〜

メタデータ設計費が含まれるか

単なる入力ではなく、

設計+入力がセットになることが多い点が特徴です。

補助金・委託事業との相性

年度事業として組みやすく、

外注が前提になるケースも多いです。


大量案件でのボリュームディスカウント

点数が多いほど、

1点あたりの単価は下がる傾向にあります。

ボリュームディスカウントの例

  • 1,000点以上:10〜30%減
  • 5,000点以上:30〜50%減

ただし品質管理が重要

安くなっても、

入力精度が落ちると後で修正費が発生します。

段階発注が安全

  • まず500点でテスト
  • 問題なければ本発注

という進め方が失敗しにくいです。

仕様書(RFP)の重要性

入力項目・ルールを文書化することで、

見積もりのブレを防げます。


まとめ:“点数と項目数”が最重要指標

データ入力代行の費用は、

決して「業者の言い値」ではありません。

見るべきポイントはシンプル

  • 点数はいくつか
  • 項目はいくつか
  • 入力ルールは決まっているか

安さより“継続できるか”

一度きりで終わるのではなく、

将来の更新を見据えた入力が重要です。

外注は“時間を買う行為”

入力作業を外注することで、

作家・ギャラリー・自治体は

本来やるべき創作・企画・保存に集中できます。

正しい外注はアーカイブを前に進める

データ入力代行はコストではなく、

アーカイブを動かすための投資です。


必要であれば、次もすぐに作れます。

  • ✔ データ入力代行の見積もり比較表(Excel)
  • ✔ 外注用仕様書(RFP)テンプレート
  • ✔ 「外注 vs 自作」判断フローチャート
  • ✔ 点数別・項目数別の詳細価格表

どれを次に用意しましょうか?

デジタルアーカイブ化を「導入すべきかどうか」から検討されたい方はこちら
※現状の運用を前提にご相談を承ります

この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。