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アート・デジタルアーカイブのPR動画を作る方法

撮影・編集・構成ガイド

アートや文化活動の広報において、「動画」は特別な存在になりました。

写真や文章だけでは伝えきれなかった空気感、スケール、制作の背景を、短時間で直感的に届けられるからです。

しかし一方で、「動画はハードルが高い」「専門業者に頼まないと無理」と感じている作家やギャラリー、自治体も少なくありません。

結論から言えば、アート・デジタルアーカイブを活用すれば、動画PRは小規模でも十分に成立します。

なぜなら、アーカイブにはすでに

・整理された作品情報

・撮影済みの写真

・展示や制作の履歴

といった、動画素材の“元データ”が揃っているからです。

この記事では、アート・デジタルアーカイブを土台にして、

「何を撮り、どう編集し、どのように構成すればよいのか」を、

動画が初めての人でも実践できる形で解説します。


動画PRが強い理由(SNS時代の必須武器)

なぜ今、動画PRがこれほど重要視されているのでしょうか。

それは流行ではなく、情報の受け取られ方そのものが変わったからです。

SNSのアルゴリズムが動画を優遇している

InstagramやX、YouTubeなど主要SNSでは、動画投稿の表示回数が明らかに優遇されています。

同じ内容でも、静止画より動画の方が多くの人に届く構造になっています。

文章では伝わらない「空気」が伝わる

作品の質感、展示空間の広がり、制作現場の緊張感は、文章だけでは限界があります。

動画は、それらを一瞬で伝える力を持っています。

短時間で全体像を理解してもらえる

数十秒の動画を見るだけで、

「どんな作家か」「どんな活動か」が把握できる点は、PRとして非常に強力です。

アーカイブと組み合わせると信頼性が上がる

動画単体では一過性になりがちですが、

アーカイブと紐づけることで「情報の裏付け」が生まれ、信用度が高まります。


PR動画の基本構成(起承転結)

動画PRで失敗しやすい原因のひとつが、

「とりあえず撮って、つなげただけ」になってしまうことです。

最低限の構成を意識するだけで、動画の伝わり方は大きく変わります。

起:何の動画かを最初に示す

冒頭5秒で「誰の、何の動画か」を明確にします。

作家名、展示名、プロジェクト名などを短く提示するだけで十分です。

承:背景や文脈を簡潔に伝える

次に、制作の背景や展示のテーマなど、

アーカイブに蓄積された情報をもとに文脈を補足します。

転:見せ場を作る

作品のアップ、展示空間の全景、制作シーンなど、

視覚的に印象に残るパートを配置します。

結:次の行動を示す

最後に、

「詳細はアーカイブへ」「展示会開催中」「Webで公開中」など、

視聴者が次に取る行動を明示します。


撮影のポイント(静止画・動画の組み合わせ)

動画PRといっても、すべてを動画で撮る必要はありません。

むしろ、アーカイブ用の静止画を上手に活用することが成功の鍵になります。

作品写真は動画素材としても使える

高品質な作品写真は、ズームやフェードを加えるだけで、立派な動画素材になります。

新たに撮影し直す必要はありません。

動画は「動きがある部分」に絞る

展示空間を歩く映像、ページをめくる手元、制作中の動作など、

動きが意味を持つ場面だけを動画で撮影します。

スマホ撮影で十分な理由

現在のスマホは解像度・手ブレ補正ともに優秀です。

三脚を使い、ゆっくり動かすだけで十分に見られる映像になります。

撮影時間は短く、素材は多めに

1カットは数秒で構いません。

後から選べるよう、素材は多めに撮っておく方が編集が楽になります。


編集の流れ(スマホ/PC)

編集と聞くと身構えがちですが、

基本的な流れはスマホでもPCでも共通しています。

素材を並べて全体像を作る

まずは撮影素材とアーカイブ画像を時系列に並べ、

動画の「骨組み」を作ります。

不要な部分を削る

PR動画では情報過多は逆効果です。

伝えたいポイント以外は思い切って削ります。

テロップは最小限に

作家名、作品名、展示名など、

アーカイブに登録されている正確な表記を使うことが重要です。

音楽は雰囲気を壊さないものを選ぶ

著作権フリー音源を使い、作品や展示の空気を邪魔しないものを選びます。


動画に適した“アーカイブ情報”の出し方

アーカイブの情報をそのまま動画に詰め込むと、

情報過多になりがちです。

動画用に「翻訳」する意識が必要です。

数字や事実は短くまとめる

制作年、点数、会期などは、

一瞬で理解できる形に要約します。

詳細情報はリンク先に任せる

細かな解説は、

アーカイブ公開ページに誘導することで補完します。

ストーリー性を優先する

情報の正確さよりも、

「なぜこの作品が生まれたのか」という流れを重視します。

統一された表記が信頼を生む

アーカイブで整えた正式表記を使うことで、

動画の信用度が自然に高まります。


短編/長編の使い分け(リール/YouTube)

動画は一本作れば終わりではありません。

媒体に応じて長さと役割を分けることが重要です。

短編動画は「入口」

InstagramリールやX向けの短編動画は、

興味を持ってもらうための導線です。

長編動画は「理解を深める」

YouTubeなどでは、

制作背景や展示全体を丁寧に伝える動画が有効です。

同じ素材を使い回す発想

短編・長編で素材を分ける必要はありません。

編集次第で再利用できます。

最終的な着地点はアーカイブ

どの動画も、

最終的にはアーカイブ公開ページへつなげる設計が理想です。


まとめ:小規模でも動画PRは十分可能

動画PRは、大規模な予算や専門スタッフがなくても始められます。

アーカイブがあれば素材は揃っている

すでに整備されたアーカイブは、

動画PRの宝庫です。

完璧を目指さないことが継続のコツ

最初から完成度を求めず、

小さく始めることが重要です。

動画はアーカイブの「窓」になる

動画は単独で完結させるものではなく、

アーカイブへの入口として機能します。

情報整理こそが最大のPR戦略

結局のところ、

動画PRの質を決めるのは編集技術ではなく、

整理されたアーカイブ情報です。


この流れで、

  • 台本テンプレート
  • 30秒/60秒動画の構成例
  • 自治体・ギャラリー別の動画活用事例

もすぐに展開できます。

次はどこを深掘りしましょうか?

デジタルアーカイブ化を「導入すべきかどうか」から検討されたい方はこちら
※現状の運用を前提にご相談を承ります

この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。