顧客対応が変わる!アーカイブの“営業ツール化”戦略
アーティスト情報のデジタルアーカイブ化で失敗しないポイント10
――「記録」で終わらせないためのギャラリー実務――
ギャラリーで行われる展示は、その期間が終われば空間としては消えてしまいます。しかし、そこで行われた展示の内容や構成、作家との関係性まで含めた「経験」は、本来ギャラリーにとって大きな資産です。
その資産を形として残す手段が、写真や動画による展示記録です。
ただし、単に「記念として撮る」だけでは、展示記録は資産になりません。
次の展示企画、作家への提案、顧客対応、メディア対応など、何度も使い回せる状態になって初めて資産化されたと言えます。
本記事では、ギャラリーが展示記録を“次に活きる情報”として残すために、どのような視点で写真・動画を撮影し、どう整理すべきかを実務ベースで解説します。
展示記録を資産化するためには、「後から何に使うか」を意識した撮影と整理が欠かせません。単なる思い出写真ではなく、再利用を前提とした情報として扱う視点が重要です。
展示そのものは会期が終われば消えますが、記録は残ります。記録が整理されていれば、過去の展示を参照しながら次の企画を立てたり、作家の展示履歴として活用したりできます。資産化とは、再利用可能な状態にすることです。
展示を知っている人だけが分かる記録では意味がありません。第三者が見ても、どのような展示だったのか理解できる写真・動画を残すことが、資産化の第一条件です。
感想や雰囲気だけでは、次に活かせません。空間構成、作品配置、サイズ感など、客観的な情報が写っているかを意識します。
SNS用の映える写真と、記録用の写真は役割が異なります。最初から分けて考えることで、取りこぼしを防げます。
ギャラリー空間には、住宅や屋外とは異なる撮影上の難しさがあります。展示記録を資産にするためには、ギャラリー特有のポイントを押さえる必要があります。
白壁や光沢のある壁面は、照明の反射が写り込みやすくなります。角度を少しずらす、偏光フィルターを使う、照明位置を調整するなどの工夫が必要です。反射が強い写真は、記録としての価値が下がります。
展示空間では、スポットライトと全体照明の色温度が混在しがちです。写真にすると色味がバラつき、作品本来の色が分からなくなります。ホワイトバランスを固定する、撮影後に最小限の補正を行うなどの対応が重要です。
広角で撮ると空間は広く見えますが、作品が歪みます。展示記録では、歪みの少ない画角を優先します。作品と平行にカメラを構える意識が必要です。
記録用写真では、鑑賞者の写り込みは避けます。空間と作品の関係性を正確に残すことが目的です。
何を撮り忘れたかは、後から気づいても取り戻せません。撮影リストを意識することで、展示記録の抜け漏れを防げます。
ギャラリーに入った瞬間の視界は、展示全体の印象を左右します。この視点の写真は、展示構成を説明する際に非常に役立ちます。
各壁面を正面から撮影します。作品同士の関係性や配置意図を後から確認できます。
作品単体だけでなく、壁面に設置された状態を撮ります。サイズ感や空間との関係が分かることが重要です。
キャプションや細部の写真は、資料作成や問い合わせ対応で重宝します。
写真だけでは伝わらない情報を補完するのが動画です。展示の空間性を理解するために有効です。
来場者がどのように空間を移動するかは、写真では分かりません。動画は展示体験を再現できます。
天井高や距離感は、動画の方が正確に伝わります。次回展示の参考資料として価値があります。
簡単な解説を入れることで、後から見返したときの理解度が高まります。
長編である必要はありません。1〜2分でも十分に記録価値があります。
撮影後の整理が不十分だと、どれほど良い写真・動画でも資産になりません。
ファイル名やフォルダ名に展示名と会期を含めます。これが検索の基準になります。
用途が異なるため、同じフォルダに混在させない方が管理しやすくなります。
アーカイブ用、広報用、SNS用など、用途別に分けることで誤使用を防げます。
誰がいつ整理したかを残すことで、引き継ぎが楽になります。
すべてをSNSに出す必要はありません。役割を分けることが重要です。
SNSは関心を引く場、アーカイブは情報を残す場です。役割を混同しないことが重要です。
展示構成資料や詳細写真は、必ずしも公開する必要はありません。内部資産として残します。
作家との取り決めを含め、公開範囲を事前に決めておくとトラブルを防げます。
今は出さない情報も、将来使える可能性があります。
展示記録の価値は、会期後にこそ発揮されます。
記録を振り返ることで、成功点と改善点が明確になります。
きちんと記録を残すギャラリーは、作家からの信頼も得やすくなります。
展示記録は、そのままギャラリーの価値になります。
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