アートイベントの企画運営・クリエイターグッズの販売

アーティスト情報のデジタルアーカイブ化で失敗しないポイント10

――標準化が“ギャラリーの信用”を支える

ギャラリー運営において、アーティスト情報の管理は「地味だが最重要」な業務です。

展示企画、作品販売、顧客対応、メディア取材、将来的な再評価——そのすべては、正確で整理されたアーティスト情報を前提に成り立っています。

にもかかわらず、多くのギャラリーでは、

  • 作家ごとに情報の形式が違う
  • 過去の展示歴が追えない
  • 作品情報とプロフィールが噛み合っていない
  • 担当者が変わると情報が分断される

といった問題が慢性的に起きています。

これは個々の作家や担当者の問題ではありません。

情報を「データとして扱う設計」がなされていないことが原因です。

この記事では、ギャラリーがアーティスト情報をデータ化する際に必ず押さえるべき

10の失敗回避ポイントを、実務に即した形で解説します。


ギャラリーが陥りがちな“データ不統一の罠”

イントロダクション

アーティスト情報のデータ化で最初に直面するのが、「情報はあるのに使えない」という状態です。

これはデータ不足ではなく、不統一が原因で起こります。

が作家ごとにバラバラ

ある作家はPDF、ある作家はWord、別の作家はメール本文のみ。

こうした状態では、検索・比較・再利用ができません。

データ化とは「保存」ではなく「同じ形式に揃える」ことです。

者ごとのローカルルール

担当者Aは年表形式、担当者Bは文章形式。

この差が蓄積すると、引き継ぎのたびに情報が失われます。

個人のやり方ではなく、ギャラリーとしての型が必要です。

されない情報が混在する

古い住所、旧姓、使われなくなった肩書き。

「一度登録したら終わり」という意識が、情報の信頼性を下げます。

情報とのリンクが切れている

プロフィールと作品データが別管理だと、

「この展示のこの作品は誰のどの時期のものか」が即答できません。


ポイント①:プロフィール項目を固定する

イントロダクション

データ化の第一歩は、「何を書くか」を固定することです。

自由に書かせると、必ず比較不能になります。

限の必須項目を決める

名前、生年、拠点、略歴、ステートメント。

まずはこの5項目を必須にします。

量の目安を決める

略歴は400字以内、ステートメントは600字以内など、

文字数の目安を設けることで情報密度が揃います。

ルールを統一する

西暦/和暦、全角/半角、敬称の有無。

細部ですが、ここを揃えないとデータとして扱えません。

頻度を明記する

「年1回見直す」「展示前に必ず確認する」など、

更新タイミングをルール化します。


ポイント②:作品情報に揺れを作らない

イントロダクション

作品情報の揺れは、そのままギャラリーの信用低下につながります。

ズ・技法の表記統一

「F10」「530×455mm」「キャンバス・油彩」など、

どれか一つに統一し、別表記は補足に回します。

トルの扱いを決める

無題作品の表記方法、英題の有無などをルール化します。

番号を必ず付与する

番号がない作品は、管理できません。

作品番号はデータ連携の要です。

情報の扱いを明確に

公開価格と内部管理価格を分け、混在させないことが重要です。


ポイント③:展示歴は年表形式で統一

イントロダクション

展示歴は、アーティスト評価の根拠資料です。

形式が揃っていないと価値が伝わりません。

年→内容の順に並べる

逆順・昇順を混在させないことが重要です。

・グループ展を明確に区別

展示の性質を明記しないと、実績の重みが誤解されます。

名・地域を省略しない

「東京」「大阪」などの地域情報は後の分析に役立ちます。

ラリー主導で整形する

作家任せにせず、ギャラリー側で最終調整を行います。


ポイント④:フォルダ構造を標準化

イントロダクション

データが増えるほど、フォルダ構造は重要になります。

単位で統一する

作家名/プロフィール/作品/展示記録、という基本構造を固定します。

別・展示別のルール

どちらかに統一し、混在させないことが肝心です。

用と正式データを分ける

一時ファイルが混ざると、正しいデータが分からなくなります。


ポイント⑤:ファイル名ルールを作る

イントロダクション

ファイル名は検索性と安全性を左右します。

番号を必ず含める

タイトル変更があっても、番号は不変です。

形式を統一する

YYYYMMDD形式が最もトラブルが少なくなります。

語・英数字の使い分け

システム連携を考え、英数字推奨とします。


ポイント⑥〜⑩(運用面での重要事項)

イントロダクション

ここからは、見落とされがちだが致命的になりやすいポイントです。

バックアップ

最低でも月1回、別媒体に保存します。

「クラウドがあるから安心」は危険です。

公開・非公開の区別

顧客情報・価格情報は必ず非公開管理にします。

写真品質

暗い・歪んだ写真は、そのまま作品評価を下げます。

作家確認

最終公開前に必ず作家確認を取り、誤記を防ぎます。

連絡先の最新版管理

メールアドレスや電話番号の更新漏れは致命的です。


まとめ:標準化=ギャラリーの信用

イントロダクション

アーティスト情報のデータ化は、単なる事務作業ではありません。

の質は運営姿勢を映す

整理されたデータは、ギャラリーの信頼そのものです。

化は属人化を防ぐ

担当者が変わっても運営が続く仕組みになります。

の価値を支える基盤になる

記録が整っている作家ほど、再評価されやすくなります。

タは“共有資産”である

ギャラリーと作家、双方にとっての資産です。


デジタルアーカイブ化を「導入すべきかどうか」から検討したい方はこちら
※現状の運用を前提にご相談を承ります

この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。