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アーカイブを使ったメディア・新聞へのアプローチ方法

――「取り上げたくなる情報」の作り方――

メディアや新聞に取り上げてもらうことは、多くの作家・ギャラリー・自治体にとって大きな目標です。しかし現実には、「送っても反応がない」「どう書けばいいか分からない」と感じている人がほとんどです。

その原因の多くは、作品や活動の価値が低いからではありません。情報が整理されていないため、メディア側が扱いづらいのです。

メディアは常に時間に追われています。「調べなくても書ける」「裏取りしやすい」「背景が明確」な情報しか選べません。

アーカイブは、単なる保存の仕組みではなく、**メディア対応を圧倒的に楽にする“素材庫”**でもあります。本記事では、アーカイブを土台に、メディア・新聞にどうアプローチすればよいかを、具体的な実務手順として解説します。


メディアが求める情報とは?(最新・独自性・社会性)

メディアに情報を送る前に、「相手が何を求めているか」を理解する必要があります。

「新しいかどうか」は絶対条件

メディアは基本的に“今”を扱います。展示開始、記念年、初公開資料など、時間軸のある情報でなければ、どれほど内容が良くても後回しになります。アーカイブがあると、過去との比較や「初めての公開」といった新規性を明確に打ち出せます。

独自性は「人と違う」より「文脈が違う」

奇抜さよりも重要なのは、「なぜそれをやっているのか」という背景です。アーカイブに整理された制作過程や活動履歴があれば、他と違う文脈を説明できます。これはメディアにとって非常に使いやすい材料です。

社会性は“広がり”を意識する

個人の活動でも、地域、教育、継承、記録といった社会的なテーマと接続できれば、メディアの関心は高まります。アーカイブは、その接続点を裏付ける資料になります。

「書きやすさ」が最大の評価基準

メディアは価値判断以前に、「書けるかどうか」で判断します。整理された情報は、それ自体が評価対象になります。


プレスリリースの作り方(構成・言葉選び)

プレスリリースは作品紹介文ではありません。報道用の資料です。

基本構成は“結論先出し”

最初に「何が起きるのか」「なぜ重要なのか」を書きます。展示や活動の詳細は後回しで構いません。アーカイブがあれば、事実関係を正確に短くまとめられます。

専門用語を避け、事実を中心に

評論的な表現や感情的な言葉は控えます。制作年、点数、会期、場所など、客観情報を中心に構成します。詳細な背景は補足資料として用意します。

「誰が確認できるか」を明記する

問い合わせ先、取材対応可能な担当者、資料の閲覧先を明確にします。アーカイブURLがあると、信頼性が大きく上がります。

A4一枚で完結させる

長文は読まれません。詳細は別紙やWebで補完する前提で作ります。


アーカイブを元に“取材しやすい情報”を整理する

取材が決まるかどうかは、準備段階でほぼ決まっています。

年表・活動履歴を即出せる状態に

いつから何をしてきたのかが一目で分かる年表は必須です。アーカイブからそのまま提供できる状態にしておきます。

高解像度写真を用途別に整理

紙面用、Web用、SNS用など、用途別に写真を分けておくと、メディア側の作業負担が減ります。

過去事例・関連資料をまとめる

過去の展示、受賞、関連活動を整理しておくと、記事の厚みが増します。これはアーカイブが最も力を発揮する部分です。

「質問されそうな点」を先回りする

背景、意図、今後の展開など、よく聞かれる質問に答えられる資料を用意します。


新聞社・テレビ局への具体的なアプローチ法

送付先と方法を間違えると、内容以前に見られません。

部署と媒体特性を調べる

文化面、地域面、イベント情報など、担当部署を調べて送ります。一斉送信は効果が薄いです。

メール+補足資料が基本

メール本文は簡潔に、詳細はPDFやアーカイブURLで補足します。添付ファイルは重くしすぎません。

電話フォローは慎重に

電話は確認目的に限定します。「届いていますか」「追加資料は必要ですか」という姿勢が重要です。

断られても関係を切らない

今回は合わなくても、次回につながる可能性があります。記録として残すことが大切です。


話題性を作る方法(タイミング・切り口)

話題は偶然ではなく、設計できます。

記念年・節目を活用する

周年、回顧、初公開など、時間軸の切り口は強力です。アーカイブがあると裏付けが容易です。

社会的テーマと結びつける

教育、地域、継承、災害、記録など、社会性のあるテーマと接続します。

「比較」で価値を示す

過去と現在、地域と他地域など、比較できるデータは記事になりやすいです。

小さなニュースを積み重ねる

大きな話題を狙いすぎず、継続的な発信が重要です。


掲載された後の導線(SNS・Webで二次利用)

掲載はゴールではなく、スタートです。

アーカイブページへ誘導する

記事を読んだ人が次に行く場所を用意します。アーカイブは最適な受け皿です。

SNSで文脈付きで共有する

単なるリンク共有ではなく、背景や補足を加えて発信します。

Webサイトに実績として蓄積する

掲載履歴をアーカイブに残すことで、次の取材につながります。

内部資料としても活用する

庁内報告、支援申請、次回企画の材料として再利用できます。


まとめ:メディアは“整った情報”を求めている

メディア対応の成否は、情報の整理状態で決まります。

価値は「伝わる形」にして初めて意味を持つ

どれほど良い活動でも、伝わらなければ存在しないのと同じです。

アーカイブは最大の広報資産

整ったアーカイブは、何度でも使える素材庫です。

一度整えれば、次が圧倒的に楽になる

最初の準備こそ大変ですが、その後の広報は驚くほどスムーズになります。


次に展開できるテーマとしては、

  • 「記者が実際に見るアーカイブ情報のポイント」
  • 「メディア掲載を前提にしたアーカイブ設計」
  • 「地方紙・全国紙・Webメディアの使い分け戦略」

などがあります。

続けたいテーマがあれば指示してください。

デジタルアーカイブ化を「導入すべきかどうか」から検討されたい方はこちら
※現状の運用を前提にご相談を承ります

この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。