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アーティストのWebサイト・ポートフォリオサイトを作る:無料・有料サービス比較と最低限の構成

ある作家さんから「Instagramはやっているんですが、個展のたびに自己紹介のURLが変わって説明が大変で」という相談を受けたことがあります。DMで連絡してくる人に毎回同じことを送るのも手間がかかる、と。そこで「作品と経歴と連絡先が一か所にまとまったWebサイトを作ってみませんか」と提案したのが、Webサイト制作の話をした最初のきっかけでした。

SNSは強力なツールですが、それだけでは限界があります。今回は、アーティストがWebサイトを持つ意味と、サービス選びから最低限の構成まで、現場で見てきた視点からまとめました。

なぜSNSだけでは不十分か

SNSは「見てもらう」には強いですが、「調べてもらう」には弱いんです。

Instagramで作品を気に入ってくれた人が「この作家さん、個展はいつやってるんだろう」「作品の値段はどのくらい?」「どうやって問い合わせすればいい?」と思ったとき、SNSのプロフィールだけでは答えを見つけにくいことがあります。また、SNSのアルゴリズム変更やプラットフォームの方針転換に振り回されるリスクもあります。自分でコントロールできる「拠点」を持っておくことが、長く活動を続けるうえで重要だと思っています。

Webサイトは、検索エンジンから見つけてもらえる唯一の場所でもあります。「○○ 画家」「陶芸作家 ○○」と名前を検索したとき、Webサイトが出てくれば信頼感が全然違います。

Wix・Squarespace・BASEの比較

コードを書かずにWebサイトを作れるサービスはいくつかあります。アーティストに向いているのは以下の3つです。

サービス 特徴 月額目安 向いている用途
Wix 自由度高め・日本語サポートあり 無料〜約1,700円 ポートフォリオ全般
Squarespace デザイン品質が高い 約1,700円〜 写真・アート系の見せ方重視
BASE EC機能が充実 無料(販売時手数料) 作品販売を主目的にする場合

作品を「見せる」ことが主目的ならWixかSquarespace、「売る」ことを主目的にするならBASEという使い分けが現実的です。WixとSquarespaceはどちらもEC機能を追加できますが、販売手数料や在庫管理の面ではBASEの方がシンプルです。

Webサイト制作の参考になる2冊

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WordPressで作る場合の費用と手間

「本格的なサイトを作りたい」という場合はWordPressという選択肢もあります。

WordPressは世界中のWebサイトの4割以上が使っているオープンソースのCMSです。テーマやプラグインが豊富で、ポートフォリオから販売サイト、ブログまで何でもできます。ただし、無料ではありません。サーバーとドメインの費用として年間1〜2万円程度はかかります。

また、初期設定やテーマのカスタマイズにはある程度の学習コストがあります。作家さんに「WordPressはどうですか?」と提案することもあるのですが、「更新するたびに怖い」「プラグインの更新が来るたびに止まっていた」という声もよく聞きます。デザインの自由度と引き換えに、維持する手間がかかることは事前に把握しておいた方がいいと思います。

制作を外注する場合、シンプルなポートフォリオサイトで5〜15万円程度が相場です。

最低限必要な5ページ構成

どのサービスを使う場合でも、アーティストのWebサイトに最低限必要なページは以下の5つだと思っています。

①トップページ:第一印象を決めるページ。代表作1〜3点と名前・一言プロフィールを配置する。
②作品一覧(Works):シリーズや素材別に整理した作品ギャラリー。価格を表示するかどうかはスタンスによる。
③プロフィール(Profile):活動歴・受賞歴・展示歴・ステートメントを掲載する。
④展示・イベント情報(Exhibition):直近の展示や在廊日程。更新が止まらないよう注意。
⑤お問い合わせ(Contact):メールフォームまたはメールアドレスを置く。SNSのDMへの誘導でも可。

この5ページがあれば、ギャラリーへの持ち込みやメディア取材の問い合わせにも十分対応できます。

SEOで検索から見つけてもらう基本設定

Webサイトを作ったら、検索エンジンに正しく認識してもらう設定も済ませておきましょう。

最低限やっておくべきことは3つです。

①タイトルタグとメタディスクリプションの設定:各ページのタイトルに「名前+活動内容+地域」を含めると検索されやすくなります。例:「山田花子|陶芸作家|京都」
②Google Search Consoleへの登録:Googleにサイトの存在を知らせる無料ツールです。Wix・WordPressどちらからでも設定できます。
③画像のalt属性を設定する:画像に「どんな作品か」を説明するテキストを付けると、画像検索からの流入が増えます。

複雑なSEO対策は後回しでいいですが、この3つだけでも対応しておくと、名前での検索時に正しくヒットするようになります。

Webサイトは作って終わりではなく、展示情報を更新し続けることで価値が上がっていきます。まず作ること、そして「最低限の更新が続けられる仕組み」を最初に設計しておくことが長続きの秘訣だと思っています。

アーティストのWebサイト構築にあわせて読みたい本

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この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。