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AIとアート制作の未来:共存の可能性に付いての悩み

[相談内容]
AIがアート制作を自動化する中で、私たち画家やイラストレーターの仕事がなくなるのではないかと不安を感じています。AIには及ばない独自の価値を提供し続けることができるのでしょうか?

[回答]
AIがアートの世界にもたらす変化について、ご不安を抱えているのですね。しかし、歴史を振り返ると、新たな技術の登場は常にアートに新しい表現の可能性をもたらし、アーティストの役割を拡大してきました。

19世紀の写真の発明を考えてみましょう。当初、写真は絵画を取って代わるものと見なされ、多くの画家にとって脅威でした。しかし実際には、写真はアートの世界を広げる新たなメディアとなり、絵画の表現方法や主題にも新しい視点をもたらしました。写真が捉え得ない感情や内面の世界を表現することで、絵画はさらにその価値を高めたのです。

AIもまた、アート制作のツールとして考えることができます。AIは確かに多くの技術的な側面や、繰り返しの労働を代行できますが、アーティスト自身の感情や思考、独自の視点を完全に置き換えることはできません。AIを使って新しい表現を探求することは可能ですが、アートの本質は人間の内面にあり、それを表現するのは人間だけです。

AIの登場によって、アーティストは技術的な制約から解放され、より創造的なアイデアに集中できるようになるかもしれません。例えば、AIを使って素早く多様なデザイン案を生成し、その中からアーティストが最も表現したいアイデアを選び出し、さらに深く掘り下げて作品を完成させることができます。

結局のところ、AIはアート制作のプロセスを助け、拡張するものであり、アーティストの役割を取って代わるものではありません。アートの歴史は、新しい技術がアートの可能性を拡大する過程でもあるのです。画家やイラストレーターとして、AIとどのように共存し、それを自分の表現方法に取り入れるかを考えることが、これからのアートの未来を形作る鍵となるでしょう。

この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。