アートイベントの企画運営・クリエイターグッズの販売

ポストカード販売の値段の相場と価格設定の秘訣

ポストカードは、アーティストにとって自身の作品を広め、収益を上げる手段の一つです。しかし、その販売方法には、単なる商品としてではなく、アート作品としての価値をどう伝えるかが鍵となります。この記事では、ポストカードの販売において考えるべき価値の伝え方と戦略について、私自身の経験や見聞きした事例を踏まえて紹介します。

ポストカードの理想的な値段の相場とは

多くのアートギャラリーやイベントでは、ポストカードが150円から200円で販売されているのを目にします。これは一般的な価格帯であり、手軽にアート作品を購入できるという利点があります。しかし、作品としての価値をより高く評価してもらうためには、250円から500円といった価格帯での販売を検討する価値があります。価格設定は、単に利益を最大化するためだけではなく、作品の価値を顧客に伝える重要な手段です。安価な価格設定は、手軽に購入できる魅力がありますが、同時に作品の価値を低く見積もらせる可能性があります。一方で、高価格設定は、作品への期待値を高め、「高くても買う価値がある」という顧客層を引きつけることができます。

価格設定におけるポストカードの位置づけ

ポストカードの価格設定を行う際大切なのは、単なる複製作品と考えるのではなく、「自身の作品購入の入り口」と位置づけることが大切です。また、ポストカードを名刺のように考え、自分のアート作品やブランドを広めるツールとして活用することも有効です。このようにして、ポストカードはアーティストにとって、作品を展示し、自己表現する手段となり得ます。これは、単に安くたくさん売ればいいということではなく、前項でも触れたように価格設定を通じてアーティストの作品の世界観を伝えるべきでしょう。

ポストカード販売の戦略:割安感の提供

価格を上げることによる売上減少を懸念する声もありますが、ここで重要なのは「割安感」をいかに提供するかです。割安感とは、必ずしも「安い」ことを意味するわけではありません。例えば、セット売りにすることで、一枚あたりの価格を下げながらも決して安売りをしているイメージを与えず、複数購入することのメリットを顧客に感じさせることができます。これにより、顧客は価値を感じ、購入へと動きやすくなります。

ポストカードの具体的な価格設定戦略

商品カテゴリ商品内容数量単価(税抜)税込価格
個別ポストカード1枚売り1枚250円275円
ポストカードセット3枚セット3枚600円(200円/枚)660円
ポストカードセット5枚セット5枚900円(180円/枚)990円
個別ポストカード(高価格)1枚売り1枚300円330円
ポストカードセット(高価格)3枚セット3枚800円(266円/枚)880円
ポストカードセット(高価格)5枚セット5枚1,200円(240円/枚)1,350円
フレームセットポストカードフレーム1枚1,200円1,200円
フレームセットポストカードフレームセット3枚3,000円(1,000円/枚)3,000円

この表は、商品ごとの価格帯をはっきりと示しています。

商品案内別にお客様にとって選択しやすい形式となっています。特にポストカードセットの価格設定は、一枚あたりの価格がセットになることで割安になることを強調しており、顧客にとっての購入インセンティブを高めています。また、フレームセットの提供は、商品の付加価値を高め、より高価格帯での販売を可能にしています。これらの戦略は、売上の増加だけでなく、顧客満足度の向上にも寄与することでしょう。

ポストカード販売で成功するための価格戦略

ポストカードの販売は、単に商品を売る以上の意味を持ちます。価格設定や販売戦略を通じて、作品の価値を適切に顧客に伝えることが重要です。安売りではなく、作品への理解と評価を深めてもらうための戦略を練ることで、アート作品としてのポストカードは、アーティストにとっても顧客にとっても価値ある存在となります。

イベント会場でのポストカードの価格設定:「売れない」という懸念を超えて

イベント会場でのポストカード販売において、「価格を高くすると売れない」という声はよく耳にします。確かに、一見すると価格が高いと顧客が敬遠するかもしれないという懸念は理解できます。しかし、この考え方は一面的な見方に過ぎず、もっと広い視野で販売戦略を考える必要があります。

「安いから買う」顧客と「高くても買う」顧客

市場には大きく分けて二つの顧客層が存在します。「安いから買う」という顧客と、「高くても買う価値があると感じるから買う」という顧客です。前者は価格を最優先に考える層であり、後者は価値を重視する層です。アーティストとしては、後者の顧客層に注目し、自身の作品が持つ独自の価値を理解してもらうことが重要です。価値を重視する顧客は、作品への愛着や作家への支持を理由に、高価格でも購入を決断します。

「安くしても買わない」現象

ポストカードの価格を下げることで、一時的に販売数を伸ばすことは可能かもしれませんが、これは持続可能な戦略ではありません。安価にすることで、作品の価値が低く見積もられることもありますし、「安くしても買わない」という現象に直面することもあります。この現象は、価格だけが購買意欲を左右するわけではないことを示しています。顧客が本当に求めているのは、価格以上の価値や意味、作品との繋がりかもしれません。

ポストカードの価格設定の重要性

価格設定は、単に商品を売るための数値ではなく、作品の価値を伝え、作家の姿勢を示す重要な要素です。適正価格で販売することで、作品への理解と尊敬を深めることができます。また、価値を感じて購入する顧客層は、長期的な支持者になる可能性が高いです。
また、繰り返しになりますが、価格設定そのものも、あなたの作品の世界観の一つなので、その旨心して販売価格を決定するようにしてほしいと思います。

まとめ

イベント会場でのポストカード販売では、「高くすると売れない」という懸念を超え、作品の価値を正しく伝え、理解してもらうことが重要です。価格設定は、作品をどのように位置づけるか、どの顧客層にアピールするかを決定する上での重要な要素です。価値を重視する顧客に向けて販売することで、作品の長期的な評価と、作家としての持続可能な成功を築くことができます。

この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。