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AI生成コンテンツと著作権問題:文化庁がAIイラストレーターによる著作権侵害事例の収集に乗り出しました。

文化庁がAI(人工知能)による著作権侵害事例の収集に乗り出したことは、クリエイターにとって非常に重要なニュースです。これは、AIの発展がもたらす創作活動への影響について、社会が真剣に向き合い始めた証でもあります。

生成AIによる著作権侵害の実例、文化庁が収集開始…クリエイターらの不安解消狙う

https://news.yahoo.co.jp/articles/6d6193cfe99572d0592607b90e6bb52b71dc0e4e

作家さんとお話する中でも、過去に自分の作品がAIによって無許可で学習され、類似の作品が生成された経験があるそうです。

AI技術が創作物の生成に利用されるようになって以来、著作権侵害のリスクは格段に高まっています。

特に問題となるのは、AIが人間のクリエイターが生み出した大量の作品から学習し、それらに酷似したコンテンツを短時間で生成できる点です。これにより、オリジナル作品の価値が著しく損なわれる恐れがあります。例えば、ある有名なイラストレーターの画風を模倣したAIが生成する作品は、そのイラストレーター自身の新作と見分けがつかないほど似ているかもしれません。さらに悪いことに、これらのAIが不適切なコンテンツを生成し、オリジナルクリエイターの名声に傷をつける事例もあります。

文化庁の取り組みは、このような事態に対する具体的な対策を模索する上での一歩と言えるでしょう。

著作権侵害の事例を収集し、それらを基に対策を検討することは、クリエイターを守るための重要なステップです。しかしながら、AIによる著作物の生成は、その性質上、グレーゾーンが多く、対策が容易ではありません。特に、AIが生成する作品がオリジナルとどの程度似ているか、という点が焦点となるでしょう。

私たちが視覚的に「既視感」を覚える範囲で、オリジナリティが失われてしまうのではないか、という懸念は根深いものです。

この問題には、法的な解決だけではなく、技術的、倫理的なアプローチも必要です。

AI技術の発展に伴い、クリエイターもまた、自らの作品がどのように扱われ、保護されるべきか、新たな視点で考える必要があります。

また、AIを利用する側も、生成するコンテンツが他者の権利を侵害していないか、慎重に判断する必要があります。

最終的に、我々はAIの創作能力と共存する方法を見出さなければなりません。そのためには、クリエイター、技術者、法律家など、多様なステークホルダーが協力し合い、創作活動が尊重され、かつ、新しい技術が活用される環境を整えることが求められます。

文化庁の取り組みは、そのための第一歩に過ぎませんが、AI時代の著作権保護に向けた大きな前進と言えるでしょう。

クリエイターとしては、自分の作品がどのように利用されるか、常に注意を払う必要があります。

そして、私たちの創作活動が未来のAI技術によってどのように影響を受けるのか、前向きに、しかし慎重に考え続ける必要があります。今後、文化庁の動向に注目し、AIとの共存方法を模索する日々が続きます。

この記事を書いた人
ArtLibの長岡です。 アートイベントの取り仕切りを10年にわたって続けてきました。 現在は百貨店のアートギャラリースペースにて、作家さんの展示会場の運営を行っています。 絵画を年間2000万円の絵画を販売して、学んだことを公開していきます。